令和8年度 学校訪問事業⑥ 国際基督教大学高等学校

 東京学芸大学と辟雍会の共催事業・学校訪問事業による「先輩たちのいる学校を訪ねよう!」の6回目は、10月6日(火)に国際基督教大学高等学校(小金井市)で実施されました。東京は雨の降る日が続き、秋はまだ遠いようですが、この日は久しぶりに青空が見えて暑さを感じました。緑が映える樹木の中にある校舎は落ち着いた佇まいです。廊下を行き交う生徒は楽しそうにおしゃべりを交わしていました。

 中嶌裕一校長は講話の中で、この学校は帰国生を主に受け入れるために設立されたと述べて、帰国生が生徒全体の3分の2を占めるユニークな学校であることを紹介しました。1978年の設立に当たっては東京学芸大学とのつながりが深いことも触れました。設立時、当時の東京学芸大学附属大泉中学校校長兼附属高等学校大泉校舎主事の原真教授を帰国生徒教育センター長に迎えたのです。附属高等学校大泉校舎は現在附属国際中等教育学校の前身ですが、全員が帰国生という、これもユニークな学校でした。原教授は、当初より帰国生の存在は日本の新しい教育に欠くことのできない貴重な存在として、彼らを決して教室のなかでマイノリティにしてはいけない、と主張していました。こうして開校した学校の方針は「平和・人権」そして「キリスト教」を基本に据えた平和への貢献でした。同様の教育を掲げる国際基督教大学には内部推薦で多数の生徒が進学しています。中嶌校長は国際基督教大学で教職課程取得の学生を指導している立場もあって、教員としての道筋について、自己体験を示しながら具体的な情報を提供しました。

 1学年定員240名のうち、一般生が80名、帰国生が160名という生徒の割合から、帰国生特有の語学力と日本語・国語力の言語の課題が特色です。そのため、当校では英語・国語・数学授業において4レベルに分けた授業を展開しています。学生は2班に分かれて、その授業を見学しました。リニューアルされた図書館に足を踏み入れると、蔵書を陳列する書棚のコーナーに加えて、話し合いの授業が展開できるコーナーやプレゼンテーションができるステージが設けられ、多様な利用が展開できるように工夫がなされていました。卒業生2人からは、この学校の生徒は基本的なことを聞いてくる、この学校と他校での授業対応は異なってくる、それぞれに応じていく必要があるとアドバイス。多様な生徒が学ぶ学校の特色を踏まえた指摘でした。校長は、この学校の授業の在り方がどこの学校でも普通になっていくことを望んでいると話して、学生たちを送りました。

 参加した学生12名(学生11名、院生1名)のうち、一人は当校を卒業した学生です。学生は、安心な学校であったけれどそれも先生方が創ってくれていたのだと改めて気づいた、と言います。引率者は大学からフォグリヴォルフガング教授、荒川悦雄教授(辟雍会理事兼任)、辟雍会からは小澤一郎理事でした。(小澤一郎)

写真1 学校は国際基督教大学の広大な敷地の一角に位置する

写真2 授業中に教員より指導課程の説明を受ける

 

写真3 図書館の中にあるプレゼンテーションができるステージ

 

写真4 ICUHSの校名盤が掲げられる校舎玄関前