令和7年度 学校等訪問事業② 成城学園初等学校

 東京学芸大学と辟雍会の共催事業・学校等訪問事業「先輩たちのいる学校を訪ねよう!」は、今年度2回目として9月19日(金)に成城学園初等学校を訪問しました。夏日が続く暑さの中で、この日については外気に秋を感じることができました。

 小田急線の成城学園駅周辺には公立学校以外に私立の学校が点在している学園都市です。本校は幼稚園から大学を有する広大な敷地の一角にあり、門をくぐって緑の樹木が茂る急坂を登り切ったところが校舎玄関です。まず、外遊びに飛び出す子どもたちや、廊下でじゃれ合う子どもたちに出くわしました。案内する本学卒業生の髙橋丈夫校長が次々に名前を呼んで声をかけていきます。学生たちは、先生と子どもたちとの距離の近さを目の当たりにしました。校長講話では、この学校が児童の個性を重んじ、教師が対話をしてじっくりと子どもに向き合うようにしている、また本物に触れること、自然に親しむことなどがこの学校での生活の特色であると伺いました。休み時間の遊びには先生が必ず加わるというのも子ども一人ひとりを理解するために必要なこととしています。「遊び」を子どもの活動の中心概念として実践する様子から、非認知能力の大切さを創立当初から守ってきたことが見て取れます。大正期の新教育運動を先導した澤柳政太郎が本校の創設者。澤柳の自然教育、個性尊重の教育理念がしっかりと根をおろしていました。

 校長に案内されての授業観察のあと、学生たちはそれぞれ関心のある授業を見学しました。昼食のあと、学生たちからたくさんの質問が出ました。校長からは、ランドセルは最近防犯上少なくなっている、担任は専門教科以外に算数か国語を担当する、今年度の校内研究のテーマは「授業のあたたかさ」である等々の説明がありました。学生たちは真剣に先輩の話に耳を傾け、授業料等を直接保護者が負担する私立学校の特色とその実態を知るよい機会となりました。

 参加した学生は9名(学生7名、院生2名)、引率者は大学から鈴木聡副学長、荻上健太郎准教授、荒川悦雄教授(辟雍会理事兼任)、辟雍会からは小澤一郎理事でした。(小澤一郎)

 

写真1 学園のキャンパス内に初等学校がある 右の胸像は創設者の澤柳政太郎

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写真2 髙橋丈夫校長の学校説明

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写真3 理科室見学

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写真4 参加者一同

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