WBC優勝!! 栗山英樹氏特別公演

 5月20日(土)14:00に本学中央2号館4階S410 教室においてWBC優勝監督の栗山英樹氏の特別講演がありました。当日は申込者多数のために、他の教室でのライブ配信、学外でのライブ配信もセットされました。

 

 講演の冒頭に本学の國分充学長より東京学芸大学創基150周年記念に際して設置された「栄誉教授」称号の授与が行われました。続いて現役野球部主将から挨拶がありました。野球部グランドの拡張の願いが添えられると、会場がどっと沸きました。

 

 話の中心は、選手の活躍ぶりというよりはアメリカで活躍する選手を招聘する際のやり取りや、小指を骨折した源田壮亮選手との会話、そしてダルビッシュ選手と大谷翔平選手を起用する際のぎりぎりの決断など、選手との間で交わされた「たましい」のぶつかりの様子でした(栗山氏は「たましい」という言葉を何度も発しました)。監督業は「決断すること」と「もっとも嫌な仕事をすること」にあるという栗山氏の真骨頂がそこにあったと感じました。選手との間で交わされた心のこもった対話が人を動かした。これがWBC激闘の中で見せた「侍ジャパン」各選手の躍動の源だったのだと得心しました。

 

 講演後には多数の質問が寄せられました。今後やりたいことは? という質問に対して、「これまで見たこともない何かをゼロから始めたい」と答えたのは、栗山氏が本学卒業後に果敢にプロの世界に飛び込んだ時の気持ちに重なるものと感じました。また、ヌートバー選手招聘に関しては、グローバル化する社会の流れの中での決断であったと述べ、視点の広さを伺うことができました。

 

 最後に、教室で目立たない子どもにどう声をかけるか迷う学生から、同じように出場の機会のない選手にどう声をかけるのかと問われると、一呼吸おいて、自身も教育自習の体験から教室の様子は理解しているとした上で、「あえて声をかけない、選ばれてきた選手のプライドを尊重するから」と...。相手の気持ちや背景を十分に考えたところから絞り出された対応だったのだと実感しました。

 

 「自分のことより、誰かが活躍してくれているのはうれしいことだ」という栗山氏が、今回、本学学生・教職員・卒業生を前に行った講演のタイトルは「人を育てる力」でした。(小澤 記)

 

 

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写真1 栗山英樹氏講演会のチラシ(辟雍会用)

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写真2 祝勝の垂幕(正門前の道路)