新年度会長挨拶

                会 長 挨 拶                 2023年4

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                              長谷川 正

 皆様お変わりなくお過ごしのことと存じ上げます。

 会長2期目の2年目を迎えましたが,昨年度も依然として新型コロナウィルス感染症が終息しませんでしたため,対面での会議は自粛せざるを得ませんでした。全国代表者会議もメール会議としましたが,情報化推進部を設立しオンライン会議の試行を行いました。オンラインではありましたが,委員の方々のお元気なお顔を拝見でき大変うれしく思いました。本会における人と人との交流の大切さを改めて感じています。

 コロナウィルスの感染力は依然として強いままですが,政府は新型コロナウィルス感染症を5月から季節性インフルエンザと同じ「5類」に分類することを決定しました。これは,感染による致死率が第1波では5%を超えていましたのが,第8波では0.2%となりましたことが大きな理由です。この致死率の低下は,感染した場合に重症化するリスクが高い高齢者のワクチン接種率(3回)が全国で9割を超えていますことと,治療薬の供給が安定していますことに起因しています。この分類変更に先立って,313日からマスク着用が「個人の判断」に委ねられることになりましたが,感染には自身で十分気を付けねばなりません。街を歩く人の多くがマスクを着用しています。また,東京ドームで開催されましたWBCには,連日4万人を超える観客が集まりましたが,ほとんどの人がマスクをして応援していました。本学の卒業生である栗山監督が率いる侍ジャパンのWBC強化試合での大谷選手の衝撃的2打席連続ホームランや東京ドームで開催されましたオーストラリア戦では右翼席の上に設置された自身の看板を直撃する140m超えの特大3ランホームランをTVで観て,今まで野球に関心がなかった方も野球に魅入られたのではないでしょうか。東京ドームに集まった満員の観衆が声出し応援している光景を見ますと,コロナ禍がもうじき終息するという期待が持てます。しかし,まだ油断せずに,感染対策を引き続き十分することが大切でしょう。

 コロナワクチン開発のスピードを飛躍的に向上させましたのは,大規模な実用化が可能になりましたm-RNA医薬で,この分野の更なる発展が強く期待されています。このような状況を反映して,日本化学会「化学と教育」1月号に,RNAに関連する技術についての現状と今後の展望に関する特集が組まれました。その「化学と教育」の表紙に,本学自然科学系研究棟の写真が載り,「東京学芸大学は『高い知識と教養を備えた創造力・実践力に富む有為の教育者を養成する』ことをミッション・ステートメントとする教育の総合大学として,日本の教員養成の中核を担っています。教育分野のみならず人文・社会科学,自然科学,芸術・スポーツなど多様な専門分野の教授陣のもと,緑豊かなキャンパスにおいて少人数教育を実践し,次世代の子どもを育成するための人材養成に取り組んでいます。」との説明がありました。

 大学は,今年,創基150周年を迎えています。大学の「次世代の子どもを育成するための人材養成の取り組み」を応援していきたく思います。今後とも変わらぬご支援・ご協力のほど宜しくお願いいたします。

 新入生の皆様,ご入学おめでとうございます。高校の3年間はコロナ禍の3年間となってしまいましたが,大学での4年間を大いに楽しむと共にこれからの人生に役立つことをたくさん学んでください。皆様のご活躍を期待し,本会も皆様の応援をしていきます。