2022会長挨拶

長谷川 正

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
辟雍会会員の皆様におかれましては,お健やかに新春をお迎えのことと存じ上げます。
                                      
 コロナ禍となってから,もう2年が過ぎてしまいました。この間,新規感染者数が減り新型コロナウイルス感染症が収束すると期待していました時もありましたが,感染者がまた増え,次の波が襲来するということを繰り返して来ました。いつになったら終息するのでしょうか。東京都の新規感染者数は,昨年10月中旬から50人以下の日が続いていましたが,年末になって増え始め1月4日には157人,5日には390人とこの原稿を書いているうちに急激に感染者が増えて来ています。沖縄県では5日の感染者が623人にも上り,再度緊急事態宣言が出されそうな状況になって来ました。元旦の初詣の人出は,どこの神社も寺院も昨年に比べ大幅増のようでコロナ禍前の水準に戻ってきたように感じました。ニュースで明治神宮,浅草寺,成田山新勝寺,大宰府天満宮などでの初詣の様子が流れていましたが,どこも人が溢れていました。参拝者は皆マスクをしていましたが,非常に「密」な状態で映像を見ているだけでも感染拡大が心配になりました。オミクロン変異株による市中感染も広がって来ていますので,第6波が来そうです。第6波が来ても,波のピークがそんなに高くならずに過ぎ去るのを願うばかりです。

 この2年を振り返りますと,市中感染,クラスター発生,緊急事態宣言,飲食店の時短営業等,話題は新型コロナウイルス感染症に関係した暗い話題が多くなりがちですが,ウイルスの構造決定,RNAワクチンの開発,抗ウイルス経口薬の開発等,短期間での科学・医療面での進歩がありました。このような大きな進歩ではありませんが,私達の身の回りでも変化がありました。シェアリングエコノミー型の宅配サービス,店員のいない店,レジに並ばなくても料金が払える店,今まで扱われていなかったラーメン・カレー等の冷凍食品を販売する自動販売機が現れました。これらは,コロナ禍が長引かなかったら必要とされたでしょうか。自宅に居てのオンライン授業も変化の一つでしょう。また,外出時のマスク着用が日常化し,スーパーやコンビニでソーシャルディスタンス確保のためにレジ前の床に描かれた足型,店の入り口に置かれているアルコール消毒液も違和感がなく受け入れられていると思います。これらは日常生活の中にもう定着している光景と思います。以前は,マスクと言えばアベノマスクのような布マスクが主流でしたが,不織布マスクやカラーマスクが普通となり,4日早朝に小笠原で起こった震度5強の地震を解説した気象庁職員がつけていた口元が見えるゴーグルのようなマスクも出てきました。コロナ禍でなければゴーグルのようなマスクは出てこなかったでしょうが,今はマスクの機能を有していればどんな形や素材のマスクでも違和感なく受け入れられています。これは,人が社会と一緒になって苦境を乗り越えようとしている表れでしょう。マスクを外して大勢で楽しい会話ができる日が早く来ますことを祈ります。

 本辟雍会も,コロナ禍では全国代表者会議を含めて対面での会議開催を自粛せざるを得ず,このため活動らしい活動ができない2年間でした。資料を郵送しての文書会議をしてきましたが,コロナ禍がまだ長引くようなら,オンライン会議も検討して行きます。人と人との交流が本会の基盤ですので,交流の活性化策も探りたく思います。一昨年から「辟雍会通信」を発行しています。「辟雍会通信」は,支部代表の方にword原稿をお送りし,各支部の便りを追加して支部会員の方にお送りいただいています。支部代表の方にはご苦労をおかけしていますが,支部活動のご案内や支部会員からの寄稿を掲載する計画をされるなど,会員間の交流の活性化を図ってくださっています。コロナ禍が終息し,支部会員の方がお集まりになる総会や懇親会開催のご連絡に「辟雍会通信」を活用していただける日が早く来ますことを願っています。

 今年は,虎のように強く前に進める年にしたく思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。