ホームカミングデー講演 「太陽系のなぞに迫る-小惑星探査機「はやぶさ2」の挑戦-」(清水幸夫)

 小金井祭が行われている11月3日(日)、ホームカミングデー地域連携特別公開講座が本学S410教室において開催され、地域の住民や学芸大学関係者、そして子供たちが多数参加しました。この公開講座は毎年小金井祭の日に行われる恒例のプログラムで辟雍会と学芸大学の共催事業です。今年は今まさに宇宙にある小惑星探査機「はやぶさ2」のプロジェクトに参画した清水幸夫氏の講演でした。清水氏は現在JAXA宇宙科学研究所宇宙科学広報・普及主幹付担当職員として活躍中の工学博士です。

 冒頭、宇宙から見た地球を6人の宇宙飛行士の撮った映像がスクリーンに拡がり、オーロラや大気の緑色が鮮やかに目に飛び込んできました。さらにグーグルソフトにより地上2000キロメートルの高さから順々に100メートルに近づけた本学のキャンパスが映し出され、これで宇宙がぐっと近づいた気がしました。小惑星「イトカワ」に到達し、故障を抱えながら約7年後に帰還した「はやぶさ」の感動物語は忘れられません。今回の「はやぶさ2」は、その後継機として2014年12月3日に打ち上げられ、2018年に小惑星「リュウグウ」の上空に到着。そして今年4月に金属弾を衝突させ人工クレーターを造って地中の砂を採取したことは記憶に新しい。話を聞いて、「リュウグウ」の性質から「はやぶさ2」の挑戦は太陽系のなぞ、さらには地球誕生のなぞの解明に近づいていくような期待が膨らみました。

 講演の最後に来年から宇宙旅行の企画が実現するという夢のような話も出ました。会場からは大人から、また子供から専門的な質問が寄せられました。中にはSDGsの観点から宇宙開発に対する所見を求めるものもありました。清水氏は宇宙科学の面から、このかけがえのない地球を守りたいと、強いメッセージを残しました。

 この日は、この分野に専門的な知見を持っている方や夢をもつ子供たちまで幅広い層の人たちが、共に「はやぶさ」の軌跡を見ながら清水氏の話に酔っていたように思います。

(小澤)

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